今はもうない終身雇用!それが非正規をそもそも増やしたのでは?

バブル崩壊後、終身雇用はいつの間にか廃止され、世の中は景気が悪くなりました。突然の大量のリストラを出さざるを得なくなった企業は数え切れないほどでした。

正社員でも、パートやアルバイトまで容赦なくリストラが降りかかってきました。職を失い、途方に暮れた人々も沢山出ました。冷ややかな景気に、新しい職を探すのは何とも至難の業であり、正社員の求人は極端に少なくなってしまいました。

連日ハローワークでは、求人窓口に訪れる人が多く、満員になっていました。対応に追われるハローワークの職員も、本当に忙しく大変な思いをしました。

ですが職探しをする側とすれば、1日も早く就職口を見つけたい!と焦りが生じ始め、その割には面接してもなかなか採用に至らないケースが多々見られました。それだけではありません。

多くの企業が、面接の前に書類選考の制度を設けて、応募者の中で通過した人にだけ面接をするといったケースが増え、今ではそれが当たり前となりました。昔はそんな書類選考など一切なく、直接面接をして採否を決めていたものでした。

とにかく景気が悪かったため、求人数が少ない割には、応募者が殺到してどうしても全員面接をする余裕がなかったので、書類選考に企業側は踏み切ったわけです。

でも履歴書書いて写真を貼り、その上職務経歴書もパソコンで作成するのです。これは結構時間がかかりますし、書類を郵送するにも代金はかかります。書類選考で通らず、面接もしないで書類が返ってくると何とも悔しい、そして虚しい思いで一杯になりました。

「企業は50社以上応募するくらいの覚悟で!」と一時期言われましたが、これも人によりけりで、張り切って応募しまくる人もいれば、不採用続きで疲れ果ててしまう人もいました。

ですから正社員としての就職口が見つかるまで、1つでも多く収入に繋がるようにと、パート、アルバイト、派遣社員などの非正規で働く人が多くなりました。

ですが折角非正規で働けたにしても、終身雇用の様に長期に渡って働ける保証はありません。企業とは必ず「雇用契約書」を結び、雇用期間まで決められる有様でした。契約期間が切れる時期が近くなると改めて契約更新をかわすのですが、でも運悪く契約期間満了だとか、雇い止めなど仕事が少なくなるとそういった例も多かったです。

そうなるとまた次の所を探さなくてはならない…本当に非正規は同じ所で働けるケースは少ないです。

仕事の種類も様々ではありますが、不況だった頃はとにかく職を失わないように、例え非正規であっても長く働きたい!それが多くの労働者の本音です。

ですが職の中には離職率の高いものがあります。コールセンター、宅配会社、飲食業、ホテル、旅館などが挙げられます。どれも接客業です。それと介護職もです。

コールセンターは「声の接客業」とは昔からよくいいましたが、座ったままの仕事で体は楽です。それに比較的時給は1,000円以上で高めなんですが、離職率は非常に高いです。営業系のテレフォンアポインター、カスタマーサポートなどの受付など、相手の顔が見えませんので、クレームや罵声などを浴びせられるとたちまち電話恐怖症になり、研修期間で辞めてしまうパターンが多いです。

宅配会社は、配達しても家が不在なことが多く、再配達をすればそれだけ勤務時間が長くなり、毎日残業三昧です。それでは体力が持ちませんから、これまた離職率高いです。

介護職は高齢利用者の世話を終日しますので、手足、腰に負担がかかって体を壊すので、長く働ける人は少ないです。

現代は少しでもいい給料の所へ転職するのが当たり前です。