生活面では不自由しないはずなのに?何故貧困世帯が増えたの?

私の子供時代を振り返りますと、高度成長期時代で、日本はどんどん生活が豊かになりつつありました。ですが現代の様にパソコン、スマートフォン、そして子供が個々に遊べるゲームソフトなど一切ありませんでした。

テレビなんかでも家族揃って見る習慣が多く、近所づきあいも常に大事にして人と人との繋がりはありました。当時の両親は懸命に働き、生活に困らないように子供だった私達を養ってくれました。

別に今の様にパソコンやスマートフォンのない時代であっても、自分たちで工夫して遊び方を考えていたものです。ですからそんなにお金もかかりませんでした。

そういう私が子供だった時の生活と、現代の子供の生活を比較しますと、現代の方が遥かに生活は豊かです。退屈した時にはゲーム機やパソコン、スマートフォンがありますから、いつでも自由に触れるのです。

ですが毎月の維持費はかかりますね。でもその反面、貧困世帯が増えているのも事実です。どうして生活豊かな時代に貧困世帯が増えつつあるのでしょうか?

一番の理由は「定職につけない」ことです。定職がなければ、当然収入はありません。ですからネットカフェやカプセルホテルなどに寝泊りする人達が増えました。日雇いで働き、何とか臨時収入を得て、その日暮らしをしているのです。

大手企業でも倒産が相次ぎ、正社員で働いていたにも関わらず、大勢解雇されてしまい、次の行先が見つからないまま、失業人口も増えました。まして一家の大黒柱と言われる世帯主は次の働き先が見つかるまで、非正規で働いたり、そして妻までもが短時間のパートで働くようにもなりました。

両親が共働きとなり、その子供達は祖父母の家、保育園、児童園に預けられることが多くなりました。

ですが小学生の高学年、中学生の子供達は、両親が仕事から帰るまで留守番をしていることが多くなりました。いつまでも帰ってこない両親…もう昔の様に家族全員で食卓を囲むことなどなくなってきました。

夕飯で食べるのもコンビニ弁当やパン、インスタントラーメンなどが多く、育ち盛りの子供たちには栄養的にはよくありません。

世の中不景気なので、例え収入が少なくても、働かざるを得ない時代になって来たのです。あの終身雇用の時代にはもう戻れません。

現代は非正規などでは、採用されても「試用期間」を設けて、企業と働く側がお互いこの仕事に適しているのかどうかを見ます。そして試用期間後、適していないと企業側が判断すると、「本採用」には至りません。

ですから1つの企業に採用されたからと言って、長く働ける保証が全然ありません。今はそれがもう当たり前とされています。

「職を選ばなければ仕事はいくらでもある」なんてとんでもない話です。仕事というものは、本当に自分にあったものでないと長続きしません。まして向かない仕事で給料を貰っても、働いている人自身がストレスたまるばかりで精神衛生上よくありません。

企業側の都合で適した人材でないと、簡単に採用を見送ったり、解雇するのもいささか問題です。これも不況が原因ですね。

企業の求める「即戦力」とは、やはり入社してすぐに馴染んで働ける人のことを言うのでしょうか。企業側ももう新人を一から教えるくらいの余裕がないのですね。

それから企業は年齢で人材を選んでいます。40代、50代ともなれば色んな人生経験を積んでいますから、企業側からしたら受け入れやすいのか~と思うと全然そうではありません。やはり若手の20代、30代を選びます。

これでは失業した40代、50代は路頭に迷うばかりです。まして既婚者だと、職が決まらないまま貧困化し、子供達にも大きな影響を及ぼします。